2010年7月18日日曜日

APEXに載せていただいた記事です。

ふろしきプロジェクト~善きことはカタツムリの速度で動く~

ホーチミン郊外の、ある緑色の建物の2階を訪れると、ベトナム人数人が集まって、カラフルな布を手に真剣な表情で縫い合わせをしています。

出来上がるのは大きくて、可愛らしい「ふろしき」。
一枚の布で、様々な形のものを包み、持ち運べるふろしきは、古くから日本人に親しまれていました。何度でも使えるふろしきは、日本の伝統的な「エコバック」として新たに注目が集まっています。
そして今、ここホーチミンで、新たなふろしきが作られています。
その活動の名前は「ふろしきプロジェクト」。



現在、ホーチミン市にはHIV感染者や貧困層が年々増加しています。
同市は全国で最もHIV感染者が多く、4万人以上の人が感染していると言われています。感染者の多くは、家族や周囲から拒絶されたり、仕事を失ったりなど、厳しい状況に置かれています。
また、地方から職を求めて多くの家族が移り住むものの、戸籍の問題などもあり、条件のいい仕事に就くことができずにいます。
このように、成長を続けるの街の影には多くの問題も取り残されたままとなっています。

その問題の解決への一歩として、生まれたのが「ふろしきプロジェクト」。このプロジェクトは、ヨガインストラクターの竹中麻衣子さんがはじめたものです。
他者依存型の支援ではなく、本当に必要なのは、子どもたちや女性たちが本来持つ力を発揮して自立できる機会だと考え、生まれたのがこのプロジェクトです。
針と糸とはぎれさえあれば、誰でも作れるオリジナルのふろしき。

現在は、約10名のベトナム人が、働いています。活動拠点を日本に移した竹中さんのほか、5人ほどのホーチミン在住の日本人サポーターの方々も活動に参加しています。

市内の被服店や、賛同者から頂いた様々な柄・色のはぎれを使って作るので、同じものはなく、どれもオリジナルで、世界にひとつだけの作品。
デザインも製作者自身で考えられ、個性豊かです。
出来上がるふろしきの用途は、エコバッグ、ショール、テーブルクロス、巻きスカート、などなど。
そのほかコースターもあります。手作りのあたたかみがあるこれらの作品はちょっとした贈り物にも最適です。

ひとの手で、一針一針縫うため、機械のようなスピードはありません。しかし、
参加者は自立に向かって着実に進んでいます。



「善きことはかたつむりの速度で動く」、マハトマ・ガンジーのこの言葉を胸に、すべての作品を全員が大事に作っています。

~藤田さんから布の提供の呼びかけや、会の活動時期紹介などのメッセージ~
 2008年。ここホーチミンで出会った素朴でまっすぐな女性が麻衣子さんでした。自立支援をしたいという思いとエコ、というあたたかい気持ちがたくさんこもったプロジェクトに私も共感し、少しずつ仲間が集まりプロジェクトがスタートしました。サポーターは随時募集中です。少しでも興味があれば気軽にお越しください。利用されていないはぎれ、裁縫道具もありましたら、ご提供おねがいします。

0 件のコメント: